【事件発生中】田舎の本屋とこどもたち

ほのぼの一家に事件が起き、ただ今緊急モードで立て直し中。パパはどうするのか?ママの抱える問題とは…。

【読書感想】全国の書店員さん、本好きさんに告ぐ!未読の方必読!『冒険起業家 ゾウのウンチが世界を変える。』

すごい人がやってきた

先日パート先の書店に来店された、植田紘栄志さん。
出された本やご本人が話題の作家さんとのこと。
朝から社長が「楽しみ♪」とウキウキされていたので、相当な面白い人物に違いないとひそかに期待していました。


ちなみに私が知っていた事前情報は、『ゾウのウンチが世界を変える』というキーワードだけでした。

植田さんご夫婦ご来店。

テンガロンハットに革ジャンといういで立ちで、一目でこの方だ!と気付きました。
オマケにめちゃくちゃハスキーな声。
イメージはロックスターです。
奥様はどこかでお会いしたような気がする、落ち着く雰囲気のオーラに包まれた女性でした。

あんまりじろじろ見ては失礼なので、気になりつつも作業を続けていると社長が本を見せて下さいました。



『なんじゃこの本はー!』

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たまたま出会ったスリランカ人に1万円貸したら内戦国家を巻き込む大騒動に・・・


「買います!!」

デザインも本の厚みもしっくり来たのですが、なによりこの『たまたま出会ったスリランカ人に1万円貸したら内戦国家を巻き込む大騒動に・・・』と言う一文で絶対面白い本と確信。
(後でまた詳しく書くのですが、なんとこのおしゃれな本は出版社を作って出版されたというとんでもない本でした)


冒険起業家 ゾウのウンチが世界を変える。 (ぞうさん出版)

冒険起業家 ゾウのウンチが世界を変える。 (ぞうさん出版)




物語の始まりの解説

内容紹介

主人公のヒサシは、昼は中古印刷機械のブローカー、夜は築地で水産物を運ぶ働き盛りの20代。
ある日、築地帰りにたまたま出会った外国人に1万円を貸したら、後日、その外国人の結婚式に招待されることに。
助けた亀に竜宮城へ連れられるように導かれたのは、内戦まっただ中のスリランカ。
無理やり大会場でスピーチをさせられ、通訳がデタラメに話を膨らませたことから、国家を巻き込む大騒動に…。
世間知らずと行動力は比例しているのかもしれない。
「世間知らず力(パワー)」で、偶然の幸運をつかみとれ!

(Amazon商品紹介ページ引用)


物語の始まり

物語は主人公ヒサシが謎の外国人ティトに1万円を貸すところから始まります。

昼と夜の仕事

中古印刷機器のブローカーだけでは事業を拡大させる貯金ができないので、東都水産で夜勤をするヒサシ。
奥さんのミチのヒモのような生活から脱するためにがむしゃらに働きます。
上司のあんちゃんに可愛がってもらっているのですが、これがまた面白い。
詳しく書くともったいないのですが、ラブレターのエピソードなど爆笑しました。

内戦中の国家スリランカへ

ひょんなことから内戦真っただ中のスリランカへ行くことになったヒサシ。
奥さんが妊娠中の出来事で、最初は断っていたのですがいつの間にか行くことになっていました。
小説のような展開ですが、表向きはフィクション(笑)の、実名ノンフィクションと断言して良いのではないでしょうか。
全編を通して、『冒険起業家』という言葉が決して大げさではないと思い知らされます。

ティトの仲間たち

 スリランカでティトの仲間たちと出会います。

        ニシャーラ・・・コンピュータに詳しい。
          ウダヤ・・・ハンサムだけど貧乏人。
        カルーさん・・・ポケットにネズミ(ハムスター)のアルバート君を
                    入れた初老のアナリスト。(おそらく無職)
エリック、スモールエリック・・・兄弟なのに同じ名前なので、弟はスモールを付けて呼ばれている。


無理やり大会場でスピーチをさせられ、通訳がデタラメに話を膨らませたことから、国家を巻き込む大騒動に…。

案内されたホテルは広大なジャングルの山の頂上にあり、出されたフルーツはとてつもなくおいしかったそうです。
結婚式で歌った『上を向いて歩こう』が好評で、色々な会場で歌わされ、スピーチをすることとなります。
その中でユニクロの服がペットボトルをリサイクルしてできているという話になり、スリランカで年々増えているペットボトルのごみを服に変える事を『理論的には可能』と答えたはずが、『ダンプヤードのゴミを素敵な服に変えてくれる人』と認識されてしまいます。


案内されたダンプヤード

訳も分からぬまま流れで案内された巨大なごみの山。
産業廃棄物も注射針などの危険な医療廃棄物も混ざっています。
大量のゴミが腐敗して発生したメタンガスが発火したと思われる煙があがっています。

そこで心配になるのが周りの住人の健康です。
良く見ると奇形などの障害を持つ人たちが目立ちます。
ですが、畑違いのヒサシになすすべはありません。



すでに色々ありましたが、ここまでは物語の始まりにすぎません。
これから冒険企業家の冒険起業家たるゆえんのエピソードが惜しげもなく語られます。
ゾウのウンチにどう辿り着くのか。

おすすめポイント「運命」「出会いと別れ」


第三者の冷静な視点で描くドキュメンタリーと違い、運命に翻弄され、人に振り回されるヒサシに読者はハラハラさせられます。
政治的思想や国籍にこだわらず、見たまま、感じたままによろこび、悲しみ、頑張る主人公の物語なのでどう受け取るかは読者次第です。
そんな『現実は奇なり』を地で行くこの小説をぜひ多くの方に読んでいただきたいです。
文章にユーモアがあり、変にこねくり回したような言い回しもなく読みやすく、子供に読んで欲しい本でもあります。
表彰された少年家族、ニシャーラ、スリランカ、日本の震災・・・・本当につらい現実も書かれているので何かを考えるきっかけになるはずです。

異国の出来事だけではありません。
日本人たちのエピソードも強烈です。
この30年の間に様変わりしたスリランカという国を通して、世界の流れをリアルに感じることができました。



それにしても奥様のミチさん、さぞかし心配な日々を送られた事でしょう。
もし後半に出てくるような女性が奥さんだったら、このように奇跡は起きていなかったような気がしてなりません。
男性目線では女神様と称えたいところですが、お母ちゃんとしては胸が苦しくなるエピソードもたくさんあります。


話は戻りまして・・・

私も植田さんのお話を途中から少し聞かせて頂いたのですが、「本を出すのに機械買って出版社作ればいいんです~」というようなお話をされていて、てっきり冗談というかそれくらいの気負いがある、と言う話かと思っていたら・・・
すでにこの本が出版社を作って出された本だったのです。

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読む前から布教活動




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嗅ぎたくなるよね・・・。かの有名な元大統領も嗅いだそうです。


植田紘栄志さんのプロフィール

1971年岐阜県生まれ。
20歳で豪州留学。豪州ウイリアムス・ビジネス・カレッジ卒業後、東京にて株式会社ミチコーポレーションを設立。
スリランカにて、ペットボトルリサイクルや象の排泄物のリサイクルペーパー「ぞうさんペーパー」、自然素材の手作り画材シリーズ「ワイルドパステル」など、自然と動物と人間が共存するためのビジネスモデルを事業化する。
「ぞうさんペーパープロジェクト」が「BBCワールドチャレンジ2006」でグランプリ獲得。
出版事業では「ぼくのウンチはなんになる?」が第41回造本装丁コンクール展にて「ユネスコアジア文化センター賞」を受賞。
現在は広島県北広島町にて「芸北ぞうさんカフェ」を拠点に、さまざまな地域活性化ビジネスを展開中。<<
http://www.michi-corp.comwww.michi-corp.com

プロフィールは下記インタビュー記事参照。
arikata-daigaku.com





冒険起業家 ゾウのウンチが世界を変える。 (ぞうさん出版)

冒険起業家 ゾウのウンチが世界を変える。 (ぞうさん出版)